テーマ:ステーブルコイン & JPYC
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3つの超要点
- JPYCは日本法上の電子決済手段として発行される日本円連動型のステーブルコイン。裏付け資産を倒産隔離で保全し、1円=1JPYCの価値安定を志向。
- DeFiでの普及が進めば暗号資産を担保にJPYCを借りるレンディング需要が立ち上がる可能性。円安観測が強い局面では借入需要が先行し、初期は貸出利回りが高止まりする展開も想定されるが、リスク理解は必須。
- 実世界決済の橋渡しとして、クレジットカード連携も進展。JPYCでのカード支払いが可能になれば、利用先は一気に広がる。将来はAIエージェント決済など新しいユースケースも視野。
JPYCとは何か(岡部さんより)
定義と設計
ステーブルコインは「法定通貨に価値連動するブロックチェーン上の決済手段」の総称。JPYCはその中でも電子決済手段に該当し、裏付け資産を原則101%以上で保全。倒産隔離を前提とする構造により、デペグしにくい設計をとる。
収益モデル
裏付けとして保有する日本国債や円預金の金利が主な収益源。米ドル系(USDT、USDC)に比べ金利水準は低めだが、設計思想は同様。
法的な位置付けの違い
DAIのような暗号資産担保型は日本では「暗号資産」に分類。一方、JPYCやUSDCのように法定通貨と1対1で償還可能なタイプは「電子決済手段」。会計・税務の扱いも全く別物になる。
JPYCの会計・税務の実務メリット
NFT売買などの損益計算が直感的に行える。たとえば1万JPYCで購入し2万JPYCで売却すれば利益は1万円と明解。一方で暗号資産建てだと為替評価と時価評価が絡み計算が煩雑になりやすい。企業や個人の実務負荷を下げる選択肢になり得る。
DeFiで広がるJPYCの使い道(LUCIANさんの論点)
- 典型シナリオ
BTCやETHを担保にJPYCを借り、法定通貨相当の購買力を得る。現物を売らないため利確による課税イベントを避けつつ流動性を確保できる可能性がある。 - 借入需要と利回り
円安観測が強い局面では「円をショートする」発想(=円連動のJPYCを借りる)が広がり、借入需要が先行。初期は貸出利回りが高く出やすいとの見立ても。ただしあくまで想定であり、市況や流動性次第で変動する。 - リスク認識
価格変動による清算リスク、プロトコルのスマートコントラクトリスク、そして固定高利回りをうたう詐欺的案件などに注意。運営主体と連絡が取れない匿名プロトコルはとくに慎重に。
実世界決済への橋渡し
- カード連携
JPYC残高を用いたカード決済が可能になる取り組みが進展。デビット式ではなく後払い型のクレジット枠と組み合わせる形も紹介され、利用シーンは世界中のカード加盟店まで一気に広がる。将来的には加盟店側が直接JPYC受け取りに対応し、カード手数料相当を削減できる余地も。 - 送金と出金動線
JPYCの公式経路で円転できるだけでなく、カード側の指定アドレスに送るだけで支払いが完了するなど、実務のシンプル化が進む見込み。
チェーン展開と今後
- 初期対応チェーン
Ethereum、Polygon、Avalancheの3チェーンからスタート予定。既存の流動性や国内企業の導入動向を踏まえた選定。 - 拡張方針
まずはEVM系での拡張を優先。将来的には他チェーンも検討余地あり。国内ユーザー比率が高いエコシステムへの展開期待も語られた。
さらに広がるユースケース
- AIエージェント×ステーブルコイン
AIが自律的にウォレットを持ち、定期購入やオンチェーン投資を実行する時代は目前。価格アラートや自動リバランス、為替条件付き発注など、JPYCを軸にしたワークフローが一般化する可能性。 - ポイント経済圏との接続(ポイ活)
ポイント配布の代替としてステーブルコインを配る動きが出れば、ユーザーが自然にウォレットを持つきっかけに。マスアダプションの起点になり得る。
コミュニティQ&Aダイジェスト
最後にKaiaJPから寄せられたQAにも回答していただきました。
JPYCは3チェーン(ETH.POL.AVAX)対応を予定とのことですが、なぜこの3チェーンなのでしょうか?今後チェーンの追加を予定していたり、kaiaチェーンへの追加の可能性はありますか?
A:既存の流動性と導入実績を踏まえ、使い勝手と運用負荷のバランスを取った初期構成。まずは確実な流動性形成を優先。
世界で主流のUSDTやUSDCと比べて、JPYCならではの強みや特徴はどこにあると考えますか?
A:日本居住者・日本企業にとって会計・税務が圧倒的にシンプル。円建てでの売買・経理・決済の一気通貫が実務的な価値。
参加者への注意喚起
DeFiでJPYCが使えるようになってくると上記のようなポジティブな選択肢が広がるが、一方で発行者の手を離れた詐欺的事業者に要注意。
- 固定で高利回りをうたう案件は原則警戒。
- 偽アカウントや成りすましに注意。公式情報源の確認を徹底。
- DeFi利用時は清算ラインや担保比率、監査状況、連絡手段の有無をチェック。
まとめ
日本円ステーブルコインの本格始動は、個人・企業の実務を軽くし、DeFiや実世界決済、さらにはAIエージェント経済まで射程に入れる大きな転換点になる。まずは小額で動線を試しつつ、公式発表と信頼できるプロダクトを軸に、安全第一で活用範囲を広げていくことが重要です。
また、DeFi連携はどう進むか?という点については発行体が直接主導しなくとも、需要と発行量が伸びればレンディングやプールは自然発生的に拡大していき、プロジェクト側のガバナンス判断で採用が進む見立てであるという話が印象的でした。今後多くのDeFiでJPYCが使われる未来がやってくるかもしれません。
というわけで、第3回ゆるDeFiのまとめでした!
次回の情報やGiveawayへの参加はKaiaJPの公式X、公式TGへどうぞ!