【魔LUCIANさんAMAまとめ】カカオ発のKlaytn(クレイトン)とLINE発のFINSCHIA(フィンシア)が統合
前々からニュースになっていましたが、韓国のトークアプリ「カカオ」が母体のチェーンのKlaytn(クレイトン)と旧LINEブロックチェーンのFINSCHIA(フィンシア)が統合して新たなブロックチェーン「Kaia(カイア)」になります。
これについて先日魔LUCIANさんがXのスペースでKlytn運営と合同AMAを開催されており、その内容を要約したいと思います!というのも現在僕もKlaytnチェーンのDAppsであるSuperWalkをプレイしているのでこのチェーン統合の話は気になっていました。
なぜ統合するのか?統合するとどうなるのか?特徴は?メリットは?など、この辺りについてAMAのまとめと、既に出ている統合に関するニュースの内容等も踏まえて解説したいと思います。AMAまとめについてはQAやり取りの完全なまとめというよりかは要点を抜き出して簡潔にまとめています。詳細が気になる方はぜひLUCIANさんのXスペースのアーカイブを聞いてみてください。
Klaytnチェーンの概要と実績
Klaytn(クレイトン)は2019年にカカオが独自に開発したLayer1ブロックチェーンで、カカオトークのようなメッセンジャーアプリのユーザーベースを活用することを目指して運営がされてきました。
カカオトークは韓国で5,000万ユーザーを抱えており、韓国の人口が5,000万人なので人口のほぼ99%がカカオトークを使用していることになります。
しかし、グローバル展開には限界があり、LINE(FINSCHIA:フィンシア)との統合によってアジア最大のブロックチェーンを目指すことになりました。
orbitのステーブルコインがデペグしてる件は影響ないのか?
以前、サードパーティ製のOrbitブリッジというブリッジサービスに関して問題が発生しました。このブリッジは主にクレイトンの通貨、特にUSDTやUSDCなどのステーブルコインを扱っており、これらはOrbitブリッジを通じて流通していましたが、ハッキングが発生してoUSDTが被害を受け、現在も1ドル価格とのペグが外れている状態です。
これに対する回答としてはイーサリアムに関連する部分がハッキングを受けて問題が発生したことにより、クレイトンなど他のプラットフォームは様々な支援を提供している状況であり、ハッキングの影響を受けた後でも、パートナー企業や関係者は、一般ユーザーの資産保護を確保するための対策を続けているとのこと。
この対策にはステーブルコインの流通やプラットフォームの安定化が含まれ、特にBitBridge, Stargate, Wormholeなどのブリッジ技術が利用されています。また、プロジェクトはリファイン作業を進めており、問題なく進行している状況のため、チェーン統合には大きな影響はないというニュアンスでした。
ただし、被害受けたステーブルコインの価格が1ドル価格のペグに戻るかどうかについての名言はありませんでした。
Kaiaチェーンの特徴
KaiaはイーサリアムVMとコスモスの両方の長所を併せ持つハイブリッドチェーンになる予定です。
6月末にイーサリアムVMベースでローンチし、その後コスモスも適用される予定です。クレイトンのトークンは自動的にKaiaに移行されるとのこと。
つまりKaiaチェーンは、CosmWasm(コズモワズム)とEVM(イーサリアムバーチャルマシン)の両仮想マシンをサポートするブロックチェーンになるとのこと。現在フィンシアはCosmWasmを、クレイトンはEVMをサポートしています。
ユーザー獲得の重要性
Kaiaチェーンがユーザーを獲得するためには、優れたUXと適切なインセンティブ設計が重要とのこと。
そのため、ポイントシステムの導入などが検討されており、カカオトークやLINEのユーザーベースを活用することで、潜在的なユーザー層をいかに取り込めるかがポイントだということでした。
なるほどねー!これはめちゃくちゃポテンシャル感じます。カカオもLINEもWeb2プラットフォーマーとしてはかなり強いので、この顧客ベースをWeb3に引っ張って来れたらアジア最大級、そしてグローバルチェーンとしての展望の明るいかもと思いました。(僕)
課題:規制への対応
しかし、Kaiaチェーンが展開するうえでも課題があり、それは規制です。
規制の明確化がされるかどうかが課題となっており、グレーゾーンを避けるため保守的に対応せざるを得ない状況にあるとのこと。規制当局から明確な指針が出れば、より積極的なチェーン展開が可能になるということで、拠点が日本なのか韓国になるのかわかりませんが、その国の規制への対応がチェーン展開の肝になりそうです。
パートナー企業とDApps
有名なDEXやゲーム企業などがKaiaに参入する予定で、ゲームやDeFiアプリの展開が予定されているとのこと!セガなどの大手ゲーム会社との提携も発表されています。
おおお!これも熱い!セガ!!
やはりチェーンはDAppsが乗ってこそ。Klaytnは韓国チェーンというだけあってこれまでもBCG系が多く乗っていた印象があります。そして韓国自体も今後多くのBCGタイトルを出してきますよね。メイプルはじめ。
KaiaもBCGに強いチェーンになってほしいところ!
ロードマップ
5月中旬にマイクロサイト公開、6月末にメインネットローンチが予定されています。その後、イベントやキャンペーンを実施する予定とのこと!
おおお〜もう6月にはメインネットローンチ!
というわけでここまでが魔LUCIANさんのAMAまとめでした。最後にKlaytnの公式サイトにも記載されている統合に関するニュース記事も簡単にまとめて全体像を改めて整理したいと思います。
Kaiaチェーンへの統合(Klaytn公式サイトニュース要約)
Finschia 財団と Klaytn 財団は両者のもつリソースを成長とイノベーションに活用することを目的として、アジアトップのブロックチェーン エコシステムを構築するための合併を提案しました。この合併は両社のテクノロジーとユーザーベースを融合して導入を促進し、エコシステム開発、トークンノミクス、コアネットワークテクノロジー、ガバナンスにおける競争上の優位性を強化することを目的としています。結果として得られる基盤は堅牢な Web3 ガバナンス構造の育成に焦点を当て、DeFi、ステーブルコイン、トークン化における新たな取り組みを追求することになります。
また、Finschia と Klaytn の合併後、両財団の活動は 1 つの組織の下に統合されます。この統合基盤はリソース、イニシアチブ、開発努力を統合して、より堅牢なブロックチェーン エコシステムを構築することを目的としています。新たなチェーンであるKaiaはDeFi、ステーブルコイン、トークン化、多様なブロックチェーンアプリケーションをサポートする強化されたガバナンス構造に焦点を当てて、既存のプロジェクトを拡張し、新しいプロジェクトを導入する予定です。
Finschia と Klaytn統合後のKaiaチェーンは次の 4 つの主要分野にわたる相乗効果と競争力を強化することを目的とする。
エコシステム:
LINE および カカオから Web3 資産を継承しアジアの 2 億 5,000 万人を超える Web3 ユーザーをターゲットにし、420 以上の DApps をサポートし、広範な Web3 リソースで潜在的なユーザー ベースを拡大します。
トケノミクス:
新しい 3 層書き込みメカニズムと各ブロックチェーンの強みを活用した最適化されたインフレーションを特徴とする、持続可能で価値を生み出すトークンノミクス モデルを導入します。
コア ネットワーク:
Ethereum (EVM) と Cosmos (CosmWasm) テクノロジーを組み合わせて、最大限の相互運用性とスケーラビリティに重点を置いた新しいネットワーク プロトコルを確立します。
ガバナンス:
安定した分散型ガバナンスと強化された委任機能によるパートナーシップの拡大に重点を置き、45 を超えるグローバル組織が関与する堅牢な Web3 ガバナンスを確立します。
引用:https://klaytn.foundation/finschia-klaytn-chain-merge-proposal-our-vision-for-asias-no-1-blockchain-ecosystem/
一言で言うと、カカオとLINEの持つリソースを掛け合わせてグローバルで戦えるチェーンにするぜ!ってことですね。期待!
というわけで、Klaytn(クレイトン)とのFINSCHIA(フィンシア)が統合した新チェーンKaiaについて、魔LUCIANさんのAMA内容を中心に要約&解説でした!
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