テーマ:RWA(リアルワールドアセット)
3月11日に開催したKaiaJPの「ゆるDeFiラウンジ」の内容をまとめました!
今回はRWAに詳しいゲスト2名からRWAについてあれこれお話を聞く回でした。
配信のアーカイブは以下の投稿からも聴くことができます!聴き逃した方はぜひどうぞ👇
また、この配信は定期的に開催しておりKaiaJPの公式teleglamでGiveawayの応募・抽選やスペースのQA回答やリキャップ行なっています!この機会にぜひKaiaJPのテレグラムにもぜひご参加ください👇
このラウンジの前提|正解は出さない雑談スペース
ルールはシンプルです。
- 正解を求めない
- 結論を出さない
- 「それは違う/間違い」ではなく、経験や視点の違いを楽しむ
イメージは「バーのカウンターの会話を、少し離れた席から聞く」感じ。聞き流してOKな温度感で、初心者〜経験者まで一緒に聞いて話せる場を目指す、というのが「ゆるDeFiラウンジ」です。
スピーカー紹介
神本侑季さん
- N.Avenue株式会社代表取締役CEO
- 世界最大級の暗号資産メディア「CoinDesk」の公式日本版を2019年より運営し、2026年に独自ブランド「NADA NEWS」としてリブランディング。企業向けWeb3ビジネスコミュニティ「N.Avenue Club」の運営、暗号資産インデックスの開発着手など、日本のデジタル資産市場の形成を牽引。
ドクタープリンさん
- 日本最大級の暗号資産コミュニティ「KudasaiJP」の共同創業者
- 幻冬舎が運営する暗号資産メディア「あたらしい経済」と共に企業向けWeb3ビジネスコミュニティ「Web3 Business Hub」を運営、また子会社のOmakaseはWeb3インフラストラクチャーの提供事業を行う。
- 学術的バックグラウンドとクリプトの実践知を掛け合わせた視点で情報発信を行なっている。
DeFiのタネ&Kaiaニュース|LINEウォレット×JPYC採用が正式決定
本編前の恒例「DeFiのタネ」パートで、Kaiaの立ち位置と直近ニュースを簡単に共有しました。
- KaiaはLINEやKakaoなど、アジア圏の巨大メッセンジャー文脈と相性が良いL1チェーン
- LINE上で使えるWeb3ウォレット「UNIFI」がリブランディングされ、JPYC採用が正式決定
- 日本円に近い感覚の資産がLINEウォレットで使えるようになることで、日本人がWeb3に入る導線が増える、という見立て
RWAの話は難しくなりがちなので、まず「触る入口が整ってきている」文脈を置いた上で本題に入りました。
テーマ1|ポケモンカードでRWAを理解する
RWAは不動産、国債、証券、船舶など“遠い話”に見えがちですが、感覚的には「現実のモノや権利をデジタル上で持てるようにする」話。そこで例に出たのがポケモンカードでした。
- 物理カードは保管される
- デジタル上で権利として売買できる
- 現物を動かさずに所有権が流通する
この入り口で「何をトークン化したら欲しいか」という雑談に展開しました。
「トークン化されたら欲しいもの」|結論は“欲しい”より先に信頼
神本さん: まず大前提は「本当に紐づいているか」
神本さんは、欲しいアセットの話よりも先に「裏付け資産が本当に存在し、適切に保管され、権利が整理されているか」が気になる、と整理していました。
- 倉庫保管や実在性の担保がないと、高額を払って買いづらい
- 著作権など権利関係が曖昧だと不安が残る
- RWAの価値は流動性の拡張にあるが、結局は「価値がつくか/上がるか」が重要
具体例としては、余裕ができたら「ウイスキーなどのコレクタブル」は仕組みとして面白い、という話が出ました。
ドクタープリンさん: RWAの落とし穴(タンジブルDAO/USDR)の事例
プリンさんは「実物×トークン」の落とし穴として、過去の例を紹介しました。
- かつてタンジブルDAOが高級ワインなどを買い、USDRというステーブルコインを発行
- USDRがデペグして価値が大きく下落
- 安く交換できるのでは、という空気も出たが、最終的にリディーム(交換)できなかった
この話から、発行体や責任所在が曖昧だと「存在しないものを買わされる」リスクがある、という観点が提示されました。
「現物は本当に届くのか」|届く例はあるが、目的は“償還”ではない
話題は「海外に実物があっても、日本の個人が国際配送で受け取れるのか」に移ります。
- 物によるが、ハードウェアウォレットのようにNFTをリディームして受け取る仕組みは存在
- NOT A HOTELのように、鍵NFTが付与され宿泊権利として機能する例もある
一方でプリンさんは、現物を“受け取る”ことが主目的だとRWAの強みが出にくい、と整理していました。
- 償還が目的なら現物取引で良い
- RWAの強みは「普通は手に入らないものを、小口または権利として持てる」「グローバル流動性で売買できる」「権利として使えて、場合によっては転売もできる」
この文脈で、海外の事例として「Paxosのウイスキー系は比較的しっかり機能している印象」というコメントもありました(1本=1権利のイメージ)。
テーマ2|メルカリとRWAの違いは何か
「メルカリも所有権が移り、実物が届く。RWAと何が違うのか」という問いに対しては、主に次の整理でした。
- RWAは現物を動かさずに権利だけ流通できる
- 分割保有が可能なケースがある
- 担保化やレンディングなど金融的な拡張が起きうる
- ただし日本の現状は、法規制を丁寧に整えている分、パブリックチェーン的な拡張性はまだ限定的
この流れで、日本のセキュリティトークン市場の話に入っていきます。
テーマ3|日本のRWAが身近になりにくい理由|規制は“盾”だが、体験は遠い
神本さん: 日本はセキュリティトークンが中心、裏付けは不動産が大半
神本さんは、日本のセキュリティトークン(ST)市場をベースに整理していました。
- 日本のSTは有価証券のトークン化(株、債券、投資信託など)
- 国内の発行累計は約3,000億円規模の話が出た
- 裏付けは不動産が8〜9割程度
- リートは小口投資できるが、単一不動産への“権利”というよりファンド化された枠組みで、RWA的発想と少し違う
そして「一般の人にとって難しいか」という問いに対しては、逆にこう捉え直していました。
- クリプト民にとってはウォレット接続の方が楽だが、一般層には証券口座で買えるSTの方が簡単に見える可能性もある
- ただしクリプト民から見ると、STは“別世界”に見え、レンディングや即換金などの拡張性もギャップが大きい
- 今後はパブリック接続やステーブルコインの浸透で資金効率が上がり、拡張の余地がある
ドクタープリンさん: 「投機」と「インフラ」を混ぜるとややこしくなる
プリンさんは、RWA普及の鍵を「ブロックチェーンを意識しない体験」に置いていました。
- SuicaやPay系のように、裏側がブロックチェーンでもユーザーが意識せず使える状態が理想
- そのためにはオンランプ/オフランプ(現金や銀行口座→オンチェーン資産)の摩擦を減らす必要がある
- ステーブルコインの普及は、その摩擦を下げる方向に効く
テーマ4|RWAの利回りはDeFiより高いのか
ここは誤解が生まれやすい論点として整理されました。
- RWAは米国債利回りなど現実の金利をベースにするなら、10%超の世界ではない
- DeFi側はリスクを取れば高利回りもあり得るが、RWAはより現実的で安定寄りのリターンのイメージ
また「ポケカやお酒のRWAで利回りが出るのか」という問いに対しては、利回りが出る構造にすると証券性の議論に入りやすい、という指摘がありました。コレクタブルは基本的に売買益(キャピタルゲイン)で説明されやすい、という整理です。
テーマ5|日本でRWAが広がる“きっかけ”は何か
結論としては2人とも近い方向を向いていました。
- 魅力的なアセットが増えること(IP、映画、アニメ、ブランドなど)
- ブロックチェーンを意識せず参加できるUXになること
- そして話題性(分かりやすい成功例)が出ること
具体例としては、映画制作費やアニメ制作への参加(制作委員会的な構造を小口化し、リターンが出る)が「分かりやすく刺さる」可能性がある、という話が出ました。鬼滅級のヒットが絡むと一気に広がる、というイメージです。
加えて「セキュリティトークン/トークン化という言葉が刺さりづらい」というマーケティング課題も強調されました。
- クリプト民: 証券っぽくて乗りづらい
- 証券側: トークンが分からない
- 作品ファン: 投資商品として理解されるか不明
この“誰にも直撃しない”状態をどう売るかが、現場の悩みとして語られています。
最後の質問|RWAの最大課題は何か
ドクタープリンさん: オラクル(価格情報)が最大懸念
技術的課題として挙げたのがオラクル問題でした。
- 不動産などは価格が頻繁に更新されない
- 災害や戦争など突発イベントで価値が急変した時に、オンチェーンへ正しく反映できるか
- 悪意ある操作で価格がいじられると、担保連鎖清算などの大事故につながる
「担保化している場合は特に連鎖的に影響が出る」という指摘で、RWA×DeFiの接続が進むほど重要になる論点でした。
神本さん: マーケティングと法律(既存制度との接続)
もう一つの大きな課題は制度面でした。
- ちゃんとやっているからこそ、法律の壁が高い
- 既存制度との整合を取るため、細部で“紙が必要”のような摩擦が残る
- 例として、マネーマーケットファンドのトークン化を進める際に、譲渡時に物理の紙発行が必要という話が出て、完全デジタル化を阻む要因になる
整理すると、日本は“盾”としての規制が強い一方で、それがスピードや体験の面では“壁”にもなり得る、という構図でした。
告知パート|イベントとコミュニティ案内
- ドクタープリンさん:
「Kudasai_JP」コミュニティ案内、4/6に企業向けイベント(東京ドームシティ内の会場)でRWAトピックも扱う予定 - 神本さん:
3/19に法人向けコミュニティの年1回の戦略発表会(Web3戦略発表会)があり、メルカリ関係者などの名前も話題に。加えて毎年の「Web3戦略」企画(応募形式、最優秀などあり)の告知
まとめ|今回の学びは「RWAは夢があるが、信用・制度・UXが全部必要」
今回の回を一言でまとめると、RWAは“現実資産×オンチェーン”の夢がある一方で、現実側の信用と制度、オンチェーン側のUXと技術が噛み合わないと成立しない、という話でした。
- 欲しいアセットの前に「実在性/保管/責任所在」が気になる
- 日本は規制準拠で信頼性は高いが、パブリック的拡張はまだ限定的
- 普及の鍵は「ブロックチェーンを意識しない体験」と「分かりやすい成功例」
- 課題はマーケティング、法律、そして技術面ではオラクル問題
スペース内でも繰り返し案内してましたが、感想や追加質問、次回テーマ案はKaiaJP公式Telegramでも募っていきたいとおもいます。今回の話を聞いて「住んでみたい国」が出てきた人ほど、Telegram側で深掘りすると面白くなりそうです。
というわけで、ゆるDeFiラウンジのまとめでした!
次回の情報やGiveawayへの参加はKaiaJPの公式X、公式TGへどうぞ!

